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大澤昇平(2019)『AI救国論』新潮新書.読書メモ

学習メモ

AIでできることについて学びたいため、大澤昇平氏の『AI救国論』を読みました。

Amazonのレビューは賛否両論で、否の方が目立っている印象。SNSを見ているとどうやら筆者はストレートに是非を主張する方のようで、多くの敵が存在しているようですね。所属している東大とも揉めているようです。

そんな本ではありますが学べることは多々ありました。ここに書き留めておきます。

IT業界はカリフォルニアの寿司屋の状況

本書でもっとも目からウロコだったのはカリフォルニアの寿司屋のたとえ。

カリフォルニアロールは寿司として認めがたいところがありますが、カリフォルニアでは寿司として認められている。

なぜならカリフォルニアには寿司の価値を判断できる人がいないから。適当な寿司でOKなら寿司職人を雇わずに、適当なアルバイトを雇う方が人件費を削減できるというもの。この現象は「レモン市場」といわれる。

日本のIT業界も同じで、顧客となる企業は製品を正しく評価ができないため、エンジニアはどんなに技術を磨いても正当に評価されず低い賃金で働かざるを得ない。悪化は良貨を駆逐する。

カリフォルニアロールのような製品を食べさせられないようにするには、企業はITリテラシーのある人材を揃える必要がある。

スキルは希少価値がないと意味がない

筆者は図書館で著名な経営者や研究者のエッセイを読む中で「スキルは希少価値がないと意味がない」と気づき、苦手なことで時間を無駄にしないように徹底的に取捨選択してきたとのこと。

テクノロジストとして活躍するには専門知識が必要。しかし、専門知識は大学受験の弊害になる。大学に入学した後は大学受験で失った青春を取り戻そうとキャンパスライフを謳歌。そのうち就活に卒論と、専門知識を学ぶことなく社会人となる。大学受験のジレンマとして紹介している。

筆者は高等専門学校を卒業して筑波大学に編入するという経歴の持ち主で、高専から大学編入というルートであれば大学受験のジレンマを回避することができる。常に専門知識を追求し続けることでテクノロジストとしての道を歩むことができるとしている。

スキルの早期獲得は複利でキャリアに影響を及ぼす

スキルを身につけるのはなるべく早い方がいい。

なぜならすべての職業評価における人間の主観には、「同じ業績であれば若手ほど優遇される」という、年向序列とは相反する逆法則が存在するからである。

中国企業は海外展開の必要がない

世界規模で事業を展開する場合、英語をはじめとして多国の言語をカバーする必要がある。

しかし、中国は他国と比べて人口が圧倒的に多いので、中国でプラットフォームを展開すると中国語圏内だけで完結するので海外展開の必要がない。

AIに対する教師としての能力が求められる

AI時代にはプログラミング能力よりも、データの準備の仕方や学習環境の準備の仕方といったAIに対する教師としての能力が求められる。

アノテーション企業というAIの教師データを作る事業をメインとする企業が既に存在している。東南アジアを中心として広まっており、日本ではバオバブという企業が有名。

ニューラルネットワークは人間がプログラミングする場合に必要な例外処理をゼロベースで学習することを可能にした。

そのため、将来プログラミングが必要なくなり、AIに対するお膳立てにコストが集中すると考えられる。

アルファ・ゼロ

囲碁のAIとして有名なアルファ碁はプロの棋譜から学習していた。

次に開発されたアルファ・ゼロは自分自身と戦うことによって勝ちパターンを学習していく。放置しているだけでアルファ碁を超える能力を獲得した。

アルファ・ゼロの打ち筋を見たプロ棋士は「最初は素人っぽい打ち方なのに、その後以外な打ち筋で相手を負かしている」とのこと。

AIに需要が発生するビジネス

未来予測に関する部分がAIに需要が発生する。

金融・電力・小売といった業種で、予測誤差がそのままコストに乗ってきている場合である。

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